徹底分析シリーズ ECPR—麻酔科医も積極的にかかわっていこう!
ECPRの際に実施する処置—できるだけ合併症なくECMOを確立するために気をつけていること
齋藤 俊祐
1
,
方山 真朱
2
Shunsuke SAITO
1
,
Shinshu KATAYAMA
2
1自治医科大学 内科学講座 循環器内科学部門
2自治医科大学附属さいたま医療センター 集中治療部
pp.1172-1177
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101203120
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
体外循環式心肺蘇生extracorporeal cardiopulmonary resuscitation(ECPR)は待機的に挿入する症例とは異なり,時間的な制約や十分な準備ができていない環境下で行うことになるので,カニューレ挿入に伴う合併症のリスクが高くなる。合併症を防ぐためにECPRに関するプロトコルが各施設で使用されている。自治医科大学附属病院(以下,当院)では年間30〜40例のV-A ECMO挿入がある中でECPR症例は約2割程度である。上記のリスクを考慮し,当院でもECPR症例はすべて,循環器内科医が血管造影室において透視下で挿入する,などのプロトコルを作成した。救急外来にて非透視下で挿入する施設やハイブリッドERなどで救急医が挿入する施設などいろいろな形があり,どれが正解ということはない。各施設の地域性やスタッフ,資機材などの特徴に応じたECPRプロトコルを作成することが望ましい。
本稿では,当院のECPRプロトコルを紹介するとともに,各手技で起こり得る合併症などを概説していく。
Copyright © 2024, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.