徹底分析シリーズ 脳死ドナーの臓器提供のプロセスと管理—麻酔科医にできること
成人の脳死下臓器摘出術—あなたはすべての臓器を守れますか?
三澤 実紀
1
,
関 厚一郎
1
Miki MISAWA
1
,
Koichiro SEKI
1
1自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座
pp.966-970
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101203061
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脳死下臓器摘出術における呼吸循環管理に求められるのは,究極の臓器保護である。決して指示された薬物を投与するだけの単純で退屈な仕事ではない。ひと口に臓器保護と言っても,単一臓器を標的とする生体間移植のドナーの麻酔管理と違い,脳死下臓器摘出術では短い時間ではあるが,すべての摘出臓器に対して保護的な管理を行う必要がある。マニュアルや症例報告は存在し1,2),それらも十二分に拠り所になるのだが,実際は症例ごとのオーダーメイドな呼吸循環管理が求められる。
本稿では,脳死下臓器摘出術の呼吸循環管理について,術前準備からドナー退室に至るまでの実際を時系列で解説する。
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