症例ライブラリー 一般病棟に帰してよいか 予定外ICU入室とするか 迷うべき術後患者
抜管後の頻脈と軽度低血圧
今井 恵理哉
1
,
横塚 基
2
Eriya IMAI
1
,
Motoi YOKOTSUKA
2
1三井記念病院 麻酔科
2三井記念病院 中央手術部
キーワード:
アナフィラキシー
,
アドレナリン投与
,
頻脈
,
低血圧
Keyword:
アナフィラキシー
,
アドレナリン投与
,
頻脈
,
低血圧
pp.849-852
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202635
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50歳の女性。身長158cm,体重60kg。既往歴・喫煙歴なし。ASA-PS 1。胆石胆囊炎に対して予定手術で腹腔鏡下胆囊摘出術が施行された。入室時のバイタルサインは,心拍数75 bpm,血圧130/55 mmHg,経皮的末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)100%(室内気),呼吸数14回/minであった。麻酔導入は,レミフェンタニル0.3μg/kg/min,フェンタニル100μg,プロポフォール90mg,ロクロニウム40mgを使用し,喉頭鏡を用いて気管挿管した。挿管後,セファゾリン1g/100mLを投与した。導入後の軽度血圧低下に対し,晶質液を300mL負荷しつつ,エフェドリン4mg×2回とフェニレフリン0.5 mg/hrを投与し循環動態は安定した。術中はデスフルラン6%とレミフェンタニル0.2〜0.3μg/kg/minで維持し,平均血圧≧75mmHgを保つようにフェニレフリンを1.0 mg/hrまで増量し管理していた。術中の人工呼吸器では気腹に伴う最高気道内圧とプラトー圧の上昇は認めたものの,波形上も明らかな異常所見は認めなかった。術中の出血は50mLで尿量は1mL/kg/hrで保たれており,in/outバランスは+1800mLであった。
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