症例ライブラリー 周術期の高体温
巻頭言
立花 俊祐
1
1札幌医科大学医学部 麻酔科学講座
pp.623
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202958
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- 文献概要
2023年12月号で「周術期の低体温」を取り上げ,体温調節機序についても論じた。それを踏まえて今回は高体温である。
ヒトは,摂食で得られたATPを消費して熱に変換することで,体温を約37℃に維持するようにプログラムされており,発熱による調節された適正範囲内の体温上昇は生体に有意義な作用を及ぼす。その一方で,過剰な高体温には注意しなければならない。体温調節機構がうまく働かず42℃に到達すると,タンパク質の変性が始まるとされており,不可逆的反応の結果引き起こされる広範な細胞傷害は,ときとして死をもたらす。
本症例ライブラリーでは,さまざまな理由から生じた高体温に遭遇した際にどのような思考で解決していくのかを紹介する。高体温に関しても熟知することで,最終的に「周術期の体温管理」について網羅的に学習する機会としてほしい。
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