徹底分析シリーズ 「抜管」と向き合う
抜管にまつわる素朴な疑問—指導医によって言うことが違います
衛藤 由佳
1
Yuka ETO
1
1東京女子医科大学 麻酔科学分野
pp.374-377
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202891
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
抜管は気管挿管に比べて軽視されがちだ。歴史的に,また世界的にも十分にトレーニングされていない1)。主な気道合併症の3分の1が抜管時〜回復期に発生しており,抜管は全身麻酔の高リスクな時間帯であるにもかかわらず,挿管と比較して研究も少ない2,3)。日本では全身麻酔後の抜管に言及したガイドラインはまだない(現在作成中)が,英国Difficult Airway Society(DAS),米国麻酔科学会,カナダ気道フォーカスグループなどの困難気道ガイドラインでは,安全な抜管のためにはリスク層別化と十分な計画が必要であることが一貫して強調されている4〜6)。
本稿では,困難気道のない低リスクな患者において,全身麻酔後の抜管に関するいくつかの素朴な疑問について,可能な限り文献的考察を行った。困難気道リスクが高い場合や,声門上器具抜去,ICUでの抜管は想定していないので,留意されたい。
Copyright © 2024, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.