徹底分析シリーズ 身近なのに距離がある医療機器
自己血回収装置—緊急手術でも,術野の出血を回収して有効利用
牧野 朝子
1
Asako MAKINO
1
1京都からすま病院 麻酔科(前 医療法人佐伯医院 麻酔科)
pp.1310-1314
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202767
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ある土曜日の夕方,ベッド数10床の産婦人科医院で帝王切開術の麻酔を終えたあなたは,緊急で腹腔鏡下異所性妊娠手術の麻酔を依頼された。患者は35歳の女性,同日昼過ぎからの腹部膨満感と強い腹痛を訴えて受診した。血圧90/60mmHg,脈拍100bpm,ヘモグロビン(Hb)8.5g/dLであった。出血源である子宮外妊娠部を早く切除できれば輸血は必要ないかもしれないが,術後の貧血は免れないだろう。一方,この医院で血液製剤をオーダーしたら,使わなければ破棄するしかない。
こんなときは,術中回収式自己血輸血の出番である…! 幸いこの医院には自己血回収装置があるのだが,臨床工学技士の週末当直対応はない。さて,どうする?
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