徹底分析シリーズ 臨床研究論文を味わう:系統的レビュー・メタ解析とビッグデータ解析のお作法
ネットワークメタ解析—通常のメタ解析の限界を超えていく
青山 紘子
1,2
Hiroko AOYAMA
1,2
1Princess Margaret Cancer Centre(University Health Network, University of Toronto)
2広島大学 救急集中治療医学
pp.672-675
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202583
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「ネットワークメタ解析」という用語は2002年に初めて用いられた。20年以上が経過した現在,年間3000を超えるネットワークメタ解析論文がPubMed上に発表されている。背景には,解析を担うソフトウエアの普及によりネットワークメタ解析そのものがより手に届きやすくなり,投稿件数そのものが飛躍的に伸びていることがある。しかし今となっては,ネットワークメタ解析は,強いインパクトを与えるというよりも批判的な視点から厳しく評価されるようになっている。研究デザインや得られた結果から導かれた臨床的解釈も玉石混淆であり,査読者および読者に批判の隙を与える投稿が多い。
本稿では,ネットワークメタ解析初学者を対象に,①ネットワークメタ解析とは何か,②ネットワークメタ解析はどういうときに実施するのか,③ネットワークメタ解析論文を読むときのポイント,という3本柱で解説していく。
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