破裂脳動脈瘤コイリング中に生じた低酸素血症

症　例

53歳の女性。身長155cm，体重65kg。夕食後に突然発症した頭痛を主訴に救急搬送された。椎骨動脈瘤破裂によるくも膜下出血（SAH）の診断で，全身麻酔下で緊急脳動脈瘤コイリング術が行われることとなった。高血圧に対して降圧薬を2剤内服している以外の既往はないという。救急外来ではGlasgow coma scale 14，2L/minの酸素投与とニカルジピン持続静注が開始されており，心拍数80bpm，血圧140/90mmHg，経皮的末梢動脈血酸素飽和度（SpO₂）99％。ヘモグロビンは12g/dLで，そのほかの採血結果や胸部単純X線写真（X線）にも異常はなし。動脈ラインもすでに救急外来で入れられている。あとは麻酔をするだけだ。