徹底分析シリーズ 声門上器具さいこう
わたしの声門上器具使用法—挿入のポイントとおすすめの使用方法
宮﨑 直樹
1
Naoki MIYAZAKI
1
1国立病院機構熊本医療センター 麻酔科
pp.1196-1198
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202402
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挿入は割に難しい
二十数年前,わたしが研修医2か月の頃,初めて声門上器具を使用した症例は整形外科の前腕の手術であった。ラリンジアルマスク クラシックを挿入したと記憶している。前日に読んだ成書には,「硬口蓋にこすりつけるように挿入すれば容易に挿入できる」と書いてあった。成書どおり硬口蓋にこすりつけるように挿入した。なかなか入らず,しばらくすると口の中が血で滲み始めてきた。上級医に代わると容易に挿入できた。わたしの声門上器具とのかかわりはそこから始まった。
現在,日本麻酔科学会気道管理アルゴリズム(JSA-AMA)1)において声門上器具は麻酔導入時のイエローゾーンにおける第1選択となっている。そのため,挿入をマスターすることは麻酔科医にとって必須であると考える。しかし,上記のようにわたしは挿入に失敗した。声門上器具の挿入は緊急気道確保のファーストチョイスの割には意外と難しいのである。
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