徹底分析シリーズ 声門上器具さいこう
わたしの声門上器具使用法—“麻酔深度”に注意し,より安全な管理を目指そう!!
齋藤 朋之
1
Tomoyuki SAITO
1
1獨協医科大学埼玉医療センター 麻酔科
pp.1192-1195
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202401
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苦い思い出
わたしはレジデント時代に声門上器具についての苦い経験がある。それは,70代女性の下肢手術終了後のターニケット圧の解除時に起きた。声門上器具による換気が突然困難になり,口腔から激しいリーク音が聞こえ,酸素飽和度が90%以下に低下していった。ただちに声門上器具を抜去し,フェイスマスク換気を行うも,有効な換気は困難であった。喉頭痙攣を疑い,鎮静薬と筋弛緩薬を投与し,気管挿管を施行した。酸素飽和度は徐々に回復し,特に合併症なく抜管となった。ターニケット解除の侵襲に対して“浅麻酔”で維持していたことが原因であった。声門上器具を管理するうえで“麻酔深度”は特に重要と考えている。そんなわたしの声門上器具使用法を紹介する。
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