症例カンファレンス
食道癌手術前に判明した冠動脈閉塞と腹部大動脈瘤
江花 英朗
1
,
小玉 早穂子
2
,
新山 幸俊
2
,
勝又 祥文
3
,
河野 崇
3
,
秋山 浩一
4
Sahoko KODAMA
2
,
Yukitoshi NIIYAMA
2
,
Yoshifumi KATSUMATA
3
,
Takashi KAWANO
3
,
Koichi AKIYAMA
4
1福島赤十字病院 麻酔科
2秋田大学大学院医学系研究科 麻酔・蘇生・疼痛管理学講座
3高知大学医学部 麻酔科学・集中治療医学講座
4近畿大学医学部 麻酔科学教室
pp.1125-1143
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202387
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社会の高齢化に伴い,重篤な合併症を有する担癌患者の周術期管理を経験する機会は増えている。なかでも心血管系疾患の合併は患者の治療計画に大きな影響を及ぼすことが多く,緊急性や重症度によっては,原疾患の治療を先延ばしにせざるを得ない場合もある。患者の生命予後を大きく左右する疾患が複数併存し,施設内における各診療科間での綿密な治療方針の検討が必要となったとき,周術期管理やリスクマネジメントの観点から,われわれ麻酔科医が担うべき役割は大きい。
今回提示する症例は,冠動脈閉塞と腹部大動脈瘤を合併した進行性食道癌である。各カンファレンスの内容を踏まえて,自施設ならばどのような治療介入が検討されるだろうかと,ぜひイメージしながら読んでいただきたい。3施設から提供された精緻な治療計画や周術期管理の要点は,その思考プロセスにおける確かな道標となるに違いない。
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