快人快説
成人先天性心疾患患者の術前評価—多彩な臨床像でも,確実な評価を
黒川 智
1
Satoshi KUROKAWA
1
1東京女子医科大学 麻酔科
pp.1109-1117
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202382
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はじめに
成人先天性心疾患adult congenital heart disease(ACHD)患者では,術中の高度な循環変動や術後の循環不安定,臓器循環不全に起因する臓器障害が発生するリスクが高くなる。とはいえ,ACHDは幅広い疾患・病態を含んでおり,麻酔管理に関連する有害事象・合併症リスクは低いものからきわめて高いものまでさまざまである。さらに,たとえ同じ疾患・病態であっても,生来の病変の程度,遺残病変や続発症の重症度を反映して,その臨床像のスペクトラムは多彩となる。
麻酔科医は,個々の患者においてあらかじめ有害事象・合併症リスクをなるべく正しく評価し,そしてその評価をもとに有害事象・合併症を回避するための管理や必要なモニタリングを考え実践する必要がある。
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