徹底分析シリーズ 手術室の放射線防護できていますか?
こんな術式にはこんな防護を—3原則に忠実に
五代 幸平
1
Kohei GODAI
1
1鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 侵襲制御学
pp.1104-1107
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202380
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本稿では術式ごとに患者やスタッフを防護する具体的な方法について考えていく。当然のことながら,手術中の患者は動くことができない。一方,麻酔科医をはじめとするスタッフは動くことができる。つまり,スタッフは線源から距離を取って防護することが可能である。そのため,患者に対する防護方法とスタッフに対する防護方法は異なる。言うまでもないが,すべての医療行為にはリスク・ベネフィットがある。患者へのリスク・ベネフィットだけでなく,スタッフや医療資源に対してもリスク・ベネフィットを考慮する必要がある。放射線防護を優先するあまり,肝心の治療が失敗すれば本末転倒である。いかに治療を円滑に進めつつ,患者およびスタッフを防護するかは手術室をマネージメントする麻酔科医の腕にかかっている。また放射線を用いた手技に関し,放射線防護の3原則(時間・距離・遮蔽)をきちんと理解しておくことは重要と考える。
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