専門家の立場から—循環器科にコンサルトする，その前にできること

近年，高齢化の進行とともに心血管疾患を有する手術患者も増加傾向にある。非心臓手術の周術期管理において，術前のリスク評価および予防が重要であることは言うまでもないが，それでも周術期に予期せぬ合併症を起こすことも少なくない。経胸壁心エコー検査trans-thoracic echocardiography（TTE）は，簡便，迅速に心機能評価を行える低侵襲モダリティであり，麻酔科医も身につけるべき基本的な手技の一つと思われる。

　本稿では，周術期における心機能評価のポイントとその解釈について専門家の立場から概説する。