徹底分析シリーズ 心電図Advanced—心電図の理解を一歩進める
虚血の心電図—個々の心電図所見は大事にしつつ包括的にリスク評価を行うことが大切
猪原 拓
1
Taku INOHARA
1
1慶應義塾大学病院 循環器内科
pp.860-864
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202330
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非心臓手術の術前には,必ずと言ってよいほど「心電図」がとられる。過去の複数の研究によると術前の心電図に異常がみられたのは4.6〜31.7%であり,それによりマネージメントが変更されたのは,たった0〜2.2%だった。非心臓手術の術前に,胸部症状を有している患者は当然ながら皆無であり,「虚血の心電図」といっても術前の安静時心電図に何かしらの所見が出ていることは比較的まれである。
本稿では,非心臓手術の術前で実際に認められた「虚血の心電図」を供覧しながら,マネージメントも含めて考えていきたい。
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