徹底分析シリーズ 麻酔における臓器障害への対策①—症例から学ぶ臓器障害と合併症
麻酔における急性肝障害—薬物性肝障害は実は奥が深い!
出田 眞一郎
1
,
溝渕 知司
2
Shin-ichiro IZUTA
1
,
Satoshi MIZOBUCHI
2
1神戸大学医学部附属病院 国際がん医療・研究センター 麻酔科
2神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 麻酔科学分野
pp.566-570
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202267
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周術期に発生する肝障害の原因はさまざまで,手術操作によるもの,循環不全によるもの,輸血によるものや薬物によるものなどが考えられる。麻酔薬を含む多くの薬物は,その添付文書において副作用として臓器障害,特に肝機能障害が記載されている。そのため,多種多様な薬物を使用する周術期には,常に肝機能障害をはじめとする臓器障害が発症する可能性を念頭に置きながら全身管理を行う必要がある。
本稿では,筆者らが経験した術後の肝機能障害症例1)を提示し,麻酔における急性肝障害のうち臨床で最も多く経験すると思われる薬物性肝障害に関し詳述する。
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