徹底分析シリーズ 心電図Basics
ケーススタディ—要注意心電図!
中村 優太
1
,
太田 隆嗣
2
Yuta NAKAMURA
1
,
Takashi OTA
2
1湘南鎌倉総合病院 麻酔科
2湘南鎌倉総合病院 麻酔科/集中治療部
pp.378-385
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202226
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われわれ麻酔科医は日常的に心電図と触れ合っている診療科の一つである。その中でも,麻酔科に特異的な点が二つある。一つは患者の状態が秒単位で変化する中で評価し続ける点である。術中に患者へ影響を与える要因には,患者自身の要素と医療者の介入による要素の双方があり,それによる変化を連続的な心電図でモニタリングしている。また,診断・治療だけでなく,アーチファクトの理解や対策といったトラブルシューティングも必要となる。もう一つは,麻酔科医が日常的に見る心電図の誘導が限定的な点である。術前評価や外来では標準12誘導心電図を評価するが,術中は近似誘導である3点誘導や5点誘導での観測・評価に限られる。限られた情報の中で急速かつ連続的な変化を読み取ることができれば,診療の解像度を向上させ,より安全な麻酔の提供が可能となる。
本稿では,日常的に生じ得るトラブルとその対応について,指導医Oと研修医Nの会話の中から考察していく。
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