測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
負荷心電図のとり方と注意
椎名 晋一
1
1東京医科歯科大学検査部
pp.865-869
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201724
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
冠不全と狭心症について
心筋の活動に必要とする酸素は冠動脈血によって供給される.心筋は生存中絶え間なく収縮・弛緩という活動を繰り返すため,その活動に必要とされるエネルギー量は著しく大きく,そのエネルギーを産生するための酸素量も大量に必要とされる.これらの場であるミトコンドリアが心筋細胞には豊富であることがそれを裏づけている.
この冠動脈血による心筋への酸素供給が不足した状態を冠不全と言う.その原因としては冠動脈硬化症,冠動脈攣縮のように冠動脈の狭窄により冠血流量の減少する場合と,肺疾患,貧血,チアノーゼ型心奇形など冠動脈血の酸素含量の低下している場合がある.いずれの場合も心筋への酸素供給が十分には行われなくなる.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.