ミニ特集 新しいPONV対策
公知申請をやってわかったこと—オンダンセトロンのPONV適応取得への道のり
鈴木 康之
1
Yasuyuki SUZUKI
1
1国立成育医療研究センター 手術・集中治療部
pp.234-237
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202193
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日本小児麻酔学会は2019年1月に厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にオンダンセトロンの小児術後の悪心・嘔吐postoperative nausea and vomiting(PONV)の予防および治療の適応追加の要望を提出した。2年7か月後の2021年8月30日に厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で,公知申請の事前評価が終了し,薬事承認上の適応に先行して同種同効果薬のグラニセトロンとともに,成人を含めた小児のPONVの治療が保険適用となり,麻酔を受ける患者にとって大きな朗報となった。表1に厚生労働省への相談から承認までの経過を示す。今回オンダンセトロンが適応承認まで比較的短期間でこぎ着けることができたのは,産・官・学の関係各方面が,困っている患者のための努力を惜しまなかった結果である。特に厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課は,新型コロナウイルスのワクチン接種や治療薬の承認等関連の仕事で多忙を極めている中で,オンダンセトロン,グラニセトロンの承認作業を進めていただき,感謝の念に堪えない。
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