症例カンファレンス
COVID-19陽性患者の帝王切開
逢坂 佳宗
1
,
藤岡 頌子
2
,
青木 優祐
3
,
松尾 佳代子
4,5
,
水谷 光
6
Shoko FUJIOKA
2
,
Yusuke AOKI
3
,
Kayoko MATSUO
4,5
,
Koh MIZUTANI
6
1川崎市立川崎病院 麻酔科・集中治療部
2東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
3名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野
4明石医療センター 麻酔科
5千船病院 麻酔科
6千船病院 麻酔科・手術中材センター
pp.109-124
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202171
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2020年初頭から医療現場を悩ませてきた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。2021年の8月には日本でも1日25000人を超える新規感染者が報告された。この第5波が落ち着き,緊急事態宣言が解除されて以降,新規感染者数は激減した。しかし,COVID-19の感染力は非常に強く,2021年秋にはまた新たにオミクロン株という変異株が出現し,徐々に感染者数は増加,2022年1月現在,第6波が到来している。
筆者は第5波の真っただ中,肺炎症状のあるCOVID-19陽性妊婦に遭遇した。「自然分娩と帝王切開,どっちが正しいの?」「え,既往帝王切開?」「では予定帝王切開はいつやればいい?」COVID-19陽性だけでも悩ましいのに,せめて咳が治まってくれれば…。さまざまな要素と思惑が絡みあうが,お産は待ったなしだ。
本症例に対するわれわれの対応は果たして正しかったのか,それとも,もっといい方法があったのか。全世界のCOVID-19パンデミックが終息したとしても,この議論が再び未知の感染症が発生した場合にきっと役立つことを信じて,麻酔のプロフェッショナルのご意見を拝聴したい。
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