徹底分析シリーズ 知っておきたいがん治療
光免疫療法の麻酔経験—新たながん治療の周術期管理
佐藤 玲子
1,2
,
仙頭 佳起
1
Reiko SATO
1,2
,
Yoshiki SENTO
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野
2国立がん研究センター東病院 麻酔科
pp.70-74
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202161
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筆者(佐藤)は2018年4月,前任地である国立がん研究センター東病院(以下,東病院)で,日本初の光免疫療法の麻酔管理を経験した。光免疫療法の周術期管理で注意すべき点として,まず疼痛管理を挙げる。術後も腫瘍崩壊が進むことから,手術室外すなわち病棟でも患者に対する侵襲が継続し,一般的な頭頸部の小手術の範疇を超える痛みがある。光免疫療法は1回で終わるのではなく複数回にわたって施行することが多いため,術後痛のつらい経験が以降の治療継続の妨げにならないよう,工夫が必要である。また,多くの症例で頭頸部術後の気道管理となる点や,光線過敏に対しても配慮が必要になる。東病院での経験とデータにもとづき,光免疫療法を麻酔科医の視点から概説する。
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