徹底分析シリーズ 硬膜外さいこう
やっぱり,腹部手術に対する硬膜外は“最高”の鎮痛方法である—抗血栓療法患者数の増加と腹腔鏡下手術の普及により,硬膜外の機会は減ってはきたが…
寺島 哲二
1
,
山口 重樹
1
,
木村 嘉之
1
Tetsuji TERASHIMA
1
,
Shigeki YAMAGUCHI
1
,
Yoshiyuki KIMURA
1
1獨協医科大学 麻酔科学講座
pp.794-797
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202047
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超音波ガイド下末梢神経ブロックやオピオイド鎮痛薬(以下,オピオイド)による患者自己調節鎮痛法(PCA)などの新たな鎮痛手段の応用,腹腔鏡下手術による低侵襲手術の普及,予防医学の普及による抗血栓療法(メモ)を受ける患者の増加などにより,腹部手術における術後鎮痛は様変わりしている。しかし,周術期における優れた鎮痛効果を発揮する硬膜外麻酔は,いまなお腹部手術における“最高”の鎮痛方法である。硬膜外麻酔の有用性と合併症のリスクについて症例ごとの検討が必要であるが,この魅力にあふれる鎮痛法を評価すべきである。一部の医療者には麻酔科医ならではの職人芸と考えられ,麻酔科医の見せ場の一つである。
本稿では,腹部手術における硬膜外麻酔の有用性と安全な管理について解説する。
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