徹底分析シリーズ 出血治療戦術—適応外の製剤も駆使して止血を図る
ノボセブンの適応外投与—To use, or not to use Novoseven:that is the question
木倉 睦人
1
Mutsuhito KIKURA
1
1独立行政法人労働者健康安全機構浜松労災病院 麻酔科
pp.1172-1176
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201825
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ノボセブン®は,遺伝子組換え活性型第Ⅶ因子製剤(rFⅦa)であり,インヒビターを有する血友病患者,第Ⅶ因子欠乏症,Glanzmann血小板無力症の出血治療薬である。大量のトロンビン産生による強力な止血効果が得られ,周術期の危機的出血においても適応外使用されている。初回投与量5mg(90μg/kg)の薬価は約40万円と高く,血栓塞栓症リスクもあるが,産科領域ではrFⅦaの必要性を強く望む声もある。
本稿では,rFⅦaの作用機序をはじめ,どのような状況で必要となり,どのように使うべきかなどについて実際の症例を提示しながら,具体的な投与法を含め,危機的出血の治療薬としての意義についてわかりやすく解説する。
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