徹底分析シリーズ 古くて新しい 炎症
SARS-CoV-2感染と過剰炎症応答・サイトカインストーム—勝敗の帰趨を決めるものは何か?
広田 喜一
1
,
藤井 庸祐
1,2
Kiichi HIROTA
1
,
Yosuke FUJII
1,2
1関西医科大学附属生命医学研究所 侵襲反応制御部門
2市立大津市民病院 麻酔科(現:大津赤十字病院 麻酔科)
pp.858-862
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201749
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SARS-CoV-2感染によって引き起こされるCOVID-19パンデミックがいまだ世界を席捲している。SARS-CoV-2によって誘発される過剰な炎症反応は,感染患者の重症度に相関する。その結果としての急性呼吸促迫症候群(ARDS)は死亡の主な原因となっている。
敗血症に併発する急性肺傷害またARDSは,LiSAの読者である麻酔科医・集中治療医にはなじみの深い病態であると思われるが,本稿では,ウイルス感染がサイトカイン放出症候群,サイトカインストームを経てARDSを引き起こす機序とSARS-CoV-2感染に特徴的な現象について解説してみたい1)。
なお,本稿執筆時点は2020年6月である。
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