blockstories超音波ガイド下末梢神経ブロック実践49症例その後
腕神経叢ブロック斜角筋間アプローチまだやりますか?—上神経幹ブロックの登場
森本 康裕
1
1宇部興産中央病院 麻酔科
pp.602-605
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201689
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肩の手術に対する末梢神経ブロックといえば腕神経叢ブロック斜角筋間アプローチinterscalene brachial plexus block(ISB)である。肩関節手術の術後痛に対してISBは非常に有効である。超音波ガイド下法の普及とともにISBは神経ブロックの代表として多くの施設で行われるようになった。
しかし,ISBには合併症もある。ブロック側の横隔神経麻痺はほぼ必発である。呼吸機能に問題のない患者では問題とならないが,呼吸機能障害がある患者や高齢者ではその適応は慎重にならざるを得ない。また,両側のブロックは禁忌である。
ISBに関して横隔神経麻痺を避けるために多くの試みがなされてきた(表1)。その中で上神経幹ブロックはISBの概念を変えるほどのインパクトがある1)。
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