快人快説
TEE画像と先天性心疾患の外科的視野を統合する!—三次元CGを駆使した解説 後編:部分型房室中隔欠損症,Fallot四徴症,両大血管右室起始症
渡邉 文雄
1
Fumio WATANABE
1
1あいち小児保健医療総合センター 麻酔科
pp.571-579
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201684
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はじめに
小児の先天性心疾患を学ぶとき,成人の二心室症例と比べ,格段に深い知識が必要とされます。
成人の二心室症例では,僧帽弁と三尖弁は分離していますが,小児の先天性心疾患では共通房室弁となっている症例もあり,TEEで房室弁の逆流部位を検出するためには,高度な三次元的理解が必要です。また,成人の二心室症例では,大血管位や大血管と房室弁の位置関係を詳細に理解する必要はありませんが,小児の先天性心疾患では,これらが疾患概念と密接に結びついており,解剖とエコー所見を併せて理解する必要があります。多様性に富む房室弁の形態評価と,大血管位の異常に伴う心臓形態変化を理解することは難しく,経験を積んだ麻酔科医であっても,あいまいな理解でとどまっていることがあります。
後編となる今回は,左右房室弁が分離していないものの弁形態が正常に近い部分型房室中隔欠損症(pAVSD)と,大血管位が発生学的に心臓形態に影響するFallot四徴症(TOF)と両大血管右室起始症(DORV)を例に挙げ,自作の3D CGイメージをもとに解説します。
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