Japanese
English
Bedside Teaching
両大血管右室起始症
Double Outlet Right Ventricle (DORV)
加藤 裕久
1
,
伊藤 佑士
1
Hirohisa Kato
1
,
Yuji Ito
1
1久留米大学医学部小児科
1Dcpt. of Pediatrics, Kurume Univ., School of Med.
pp.525-530
発行日 1976年6月15日
Published Date 1976/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202915
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両大血管右室起始症はOrigin of both Great Vessels from the Right Ventricle (BVRV)またはDouble Outiet Right Ventricle (DORV--以下このように略す)と呼ばれ,大動脈および肺動脈が共に右室から出ている先天性心疾患である。partlal transposition (部分的大血管転位)とよばれることもあり,最近ではTaussig-Bing complexも本症の一つのタイプと考えられている。
その頻度はJohns Hopkins大学での1カ月未満の先天性心疾患の剖検例中3%であり1),本邦でも各施設からの報告があるが,その数は他の心疾患に比較すると少く,比較的まれなる心疾患であるが,肺動脈狭窄を伴った型はファロー四徴,ない型は肺高血圧症を伴う心室中隔欠損または肺高血圧症を伴う大血管転位に類似しているため,術前誤診されやすく,術中DORVで心室中隔欠損をそのまま閉じてしまうと,左室からの流出路が閉ざされるので致命的となる。そのため本疾患の術前診断は重要である。そこで本稿では臨床上および心血管造影上の重要点を述べ,類似疾患との混乱を整理してみる。
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