徹底分析シリーズ マイトラクリップ—経皮的僧帽弁接合不全修復システムに麻酔科医はどうかかわるか
MitraClipの術前評価と適応の判断—小倉記念病院の実際を交えつつ
磯谷 彰宏
1
,
白井 伸一
1
Akihiro ISOTANI
1
,
Shinichi SHIRAI
1
1小倉記念病院 循環器内科 心臓血管病センター
pp.508-511
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201669
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MitraClip®の適応判定には患者背景,僧帽弁逆流mitral regurgitation(MR)の重症度評価およびMitraClipの形態適応の判定という三つの多面的な視点が必要である。MRは,弁膜症としての視点と心不全としての側面がある。これらは,僧帽弁逸脱などの変性による(一次性)僧帽弁逆流(degenerative MR,DMR)か,心機能低下に伴うテザリングに起因する機能的(二次性)僧帽弁逆流(functional MR,FMR)か,と関連してくる。DMRとFMRは同じMRという現象であってもまったく別の疾患と考えなければならないほど,その性質が異なる。
MitraClipの適応判定には,患者背景や病歴も含めたマクロの視点と,経食道心エコー(TEE)による非常に細かい形態評価といったミクロの視点で総合的に評価する必要がある。
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