徹底分析シリーズ 麻酔科医の薬物依存
オピオイドならではの恐ろしさ—“開始はよいよい,中止は怖い”
山口 重樹
1
Shigeki YAMAGUCHI
1
1獨協医科大学医学部 麻酔科学講座
pp.400-406
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201641
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強力な鎮痛作用をもつオピオイド鎮痛薬(以下,オピオイド)は,麻酔科医の仕事に必須の薬である。しかし,麻酔科医自身がオピオイドを自己使用し,乱用・依存の末に検挙あるいは死亡するケースが後を絶たない。何ゆえ,オピオイドに精通しているはずの麻酔科医がそのような過ちを犯すのか。本稿では,筆者が非がん性慢性疼痛に対するオピオイド治療について経験したこと,海外に足を運んで学んできたことから考える,オピオイドならではの恐ろしさについて述べる。オピオイドは依存性薬物として知られているが,他の薬物と比べ物にならないオピオイドの身体依存,耐性形成,離脱症候を特に強調して記載する。
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