快人快説
シミュレーションとシミュレータ
宮坂 清之
1,2
Kiyoyuki MIYASAKA
1,2
1聖路加国際病院 麻酔科
2聖路加国際大学 シミュレーションセンター
pp.331-334
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201624
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はじめに
医療者として成長していくうえで,臨床現場での患者経験に代わるものはない。しかし,患者を練習台に失敗経験を得ることは許容されなくなっている。最低限の安全確保と説明責任といった観点からも,患者が絶対に不利益を被らない方法(シミュレーション)で臨床教育や評価を行うことが求められる時代なのだ。卒後教育では,限られた就労時間の中で効率的に必要な技能を身につけ,それを維持するためにも,シミュレーション教育への投資が必要となる。学習機会を提供してくれる「良い症例」を場当たり的に待つのではなく,経験すべき状況や症例を選んでシミュレーションで再現することで,計画的に経験し訓練することができる。
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