徹底分析シリーズ 周術期の画像診断—きほんの「き」
術後合併症を早期発見するための画像評価—ICU radiology:ポータブル単純X線写真の見方
藤井 佳美
1
,
佐伯 美奈子
2
Yoshimi FUJII
1
,
Minako SAEKI
2
1藤沢市民病院 放射線診断科
2藤沢市民病院 麻酔科(ペインクリニック)
pp.320-325
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201621
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ポータブル単純X線写真(以下,ポータブル写真)は,手術直後やICU,救急外来などで頻繁に行われる画像検査である。通常の単純X線写真と比べると画質は劣るが,正しく読影されれば呼吸状態や水分バランスなど,多くの情報を得ることができ,術後合併症の早期発見にも有用である。米国では重症患者に対して行われるX線写真はICU radiology,intensive care imagingなどと呼ばれ,画像診断の重要な一分野となっている。残念ながら日本では放射線科医がポータブル写真の読影を行っている施設はほとんどなく,ほかの診療科の医師が読影を学ぶ機会も少ない。
本稿では,ポータブル写真の特徴,術後遺残異物の見つけ方,気胸や肺水腫の見え方など,実践的な内容をまとめた。
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