徹底分析シリーズ 麻酔科×MBA
麻酔科医がMBAを取得する意味と意義—千里の道(オープンイノベーション)も一歩から
吉村 達也
1
,
中田 善規
2
Tatsuya YOSHIMURA
1
,
Yoshinori NAKATA
2
1新百合ヶ丘総合病院 麻酔科
2帝京大学医学部 麻酔科学講座
pp.738-741
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200918
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●MBAホルダーとはどのような人材か?
MBA(経営学修士)とはMaster of Business Administrationの略で,ビジネス系の大学院(ビジネススクール)を修了した者に与えられる学位です。英国の経済紙『Financial Times』の調べによれば,FT500(Financial Times Global 500,時価総額上位ランキング)に含まれる大手企業の最高経営責任者(CEO)の31%がMBAホルダーです。さらにApple社のTim Cook氏,Microsoft社のSatya Nadella氏など,FT500のトップ10企業では,60%のCEOがMBAホルダーです1)。
欧米企業では,MBAホルダーは経営全般の知識をもった人材と認識され,昇進や幹部候補生の採用では,MBAが基準の一つとなっています。日本企業も変化の激しいビジネス環境では,優秀な人材を確保することが課題に上がり2),最近では,年齢や出身業界にかかわらず,優秀な人材を国内外から管理職や経営陣に迎える例をよく耳にします。こうした時代背景の中,文部科学省は2003年度に「社会的・国際的に活躍できる高度専門職業人養成へのニーズの高まりに対応するため,高度専門職業人の養成に目的を特化した課程」(専門職大学院設置規準にもとづく専門職学位課程)を創設し,法科大学院や公衆衛生大学院とともにビジネススクールが開設されました。
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