徹底分析シリーズ 続 痛み治療の素朴な疑問に答えます
フルルビプロフェン,アセトアミノフェンの術中使用について教えてください—“妥当適切な診療”診療報酬制度と臨床現場のギャップ
平島 潤子
1
,
横田 美幸
1
Junko HIRASHIMA
1
,
Miyuki YOKOTA
1
1がん研有明病院 麻酔科
pp.230-233
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200798
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今日の臨床現場では,multimodal analgesiaが広く実践されている。Whiteら1)は,術式により術後鎮痛法は異なるとし,腹腔鏡下胆囊摘出術,鼠径ヘルニア修復術,開胸術など,六つの術式のmultimodal analgesiaの研究を検討した。その結果,そのすべての術式において,アセトアミノフェンと非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が第一選択薬として推奨された。2012年,米国麻酔科学会『Practical Guideline for Acute Pain Management in the Perioperative setting』2)のmultimodal analgesiaの項においても,禁忌事項がないかぎり,この2種類の薬物は,定期投与が推奨されている。昨今の患者の高年齢化に伴う周術期抗凝固療法や,手術の低侵襲化に伴う経静脈患者自己調節鎮痛法(IV-PCA),末梢神経ブロックや持続創部浸潤麻酔の普及など,術後鎮痛を取りまく環境が変化する中でも,アセトアミノフェンとフルルビプロフェン アキセチルは,なくてはならないが,術中使用では診療報酬上,査定されることが多い。
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