徹底分析シリーズ アナフィラキシー
コラム:フローサイトメータによる好塩基球活性化試験
横濱 章彦
1
,
西本 奈津美
1
,
須佐 梢
1
Akihiko YOKOHAMA
1
,
Natsumi NISHIMOTO
1
,
Kozue SUSA
1
1群馬大学医学部附属病院 輸血部
pp.960-961
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200682
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●フローサイトメータとは
フローサイトメータは,1950年代に開発されたコールターカウンターがその起源とされる。主に次の二つの機能からなる。①細胞が含まれるサンプル液の層流を流体力学的に作り出し,その中に細胞を1列にかつバラバラに流す縦軸方向の機能。②①で作られた細胞の流れに対して直角にレーザー光を当てて発生した散乱光や蛍光を測定する横軸方向の機能。
フローサイトメータとは,こうして得られた散乱光と蛍光の測定値をグラフ化し,コンピュータ画面上に展開して細胞一つ一つの性質を明らかにする装置である。複数の蛍光パラメータを組み合わせて,末梢血などのヘテロな細胞集団から目的とする細胞集団を選び出し,解析や細胞分離ができる。蛍光標識された抗体や蛋白,蛍光色素,蛍光DNAプローブを用いて,細胞表面蛋白はもちろん,細胞内や核内蛋白,リン酸化蛋白,あるいは細胞内カルシウムやDNA量の測定,細胞周期の観察までできる。結果は,陽性率や蛍光強度として定量的に表すことができる。
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