症例検討 硬膜外ができないときの術後鎮痛法
食道癌—いつもは硬膜外に頼っているけど…シリンジポンプを使って持続静注
小村 好弘
1
Yoshihiro KOMURA
1
1恵佑会札幌病院 麻酔科
pp.58-60
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200479
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症例
62歳の男性。身長160cm,体重48kg。頸部表在性食道悪性腫瘍の診断で,胸腔鏡下食道亜全摘,3領域郭清,胃管による胸骨後再建術が予定された。脳梗塞の既往があり,抗血小板薬と抗凝固薬を内服している。現在は脳梗塞による症状はなく落ち着いており,担当の脳神経外科医と相談のうえ,周術期はどちらも休薬してヘパリンで置換し,術後出血がなく内服できるようになったら投薬を再開することとした。へパリンは術前6時間前には投与中止をすることで,硬膜外麻酔は可能と考えた。しかし,強直性脊椎炎の既往もあり,腰痛,体幹の可動域制限が認められ,X線写真でもバンブースパインを呈していた。そのため硬膜外麻酔は施行せず,プロポフォール,レミフェンタニルによる全身麻酔で行うこととした。
術後覚醒は良好で,抜管されて回復室に入室した。
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