連載 ABCD sonography
Circulation 心エコー
吉田 拓生
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座集中治療部
pp.806-812
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200354
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呼吸,循環が切迫している患者に出会い,何とかして心エコーから情報を得たいと思った経験は誰しもあるだろう。その状況で必要な情報は,例えば「LVEFが60%か50%か」ではない。60%か30%か,もしくは,心タンポナーデがあるかないか,という大局にかかわる情報である。重症患者への心エコーは,その患者の全身状態次第では5分も費やすべきではない。
ショック患者に行う心エコーと生理検査室で行う心エコーの違いを一言で言えば「見方を変えただけ」である。ショック患者に必要最小限な情報に絞り,循環器の専門医でなくても簡単に習得できる技術として提示したものが“point-of-care”な心エコーである(メモ)。
本稿は,ショック患者に心エコーを使って対応したことのある医師であれば,当たり前の思考回路を文字化し,解説を加えたものである。
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