徹底分析シリーズ TAVI:カテーテル,そしてチームで治す大動脈弁狭窄症
TAVIの麻酔管理:経心尖アプローチ(TA)—TA-TAVIを成功させるための循環管理と術後疼痛管理
入嵩西 毅
1
Takeshi IRITAKENISHI
1
1大阪大学大学院医学系研究科 麻酔集中治療医学教室
pp.460-466
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200237
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経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)の麻酔管理は容易ではない1)。相手は高齢で,さまざまな術前合併症を抱えた重症の大動脈弁狭窄症(AS)患者である。独特の手術手順によって血行動態は短時間に激しく変動する。そして「低侵襲治療」という大看板が掲げられている。高リスク患者を任された麻酔科医は,術中の危機に対処し,術後の早期回復につなげなければならない。そのストレスは形容しがたい。そんな「危険な低侵襲手術」であるTAVIのなかでも,経心尖アプローチtrans-apical approachのTAVI(TA-TAVI)は,肋間開胸を行い,心尖に直接侵襲を加えるという独特な要素をもち,麻酔科医の貢献が大きく求められる手術である。
本稿では,TA-TAVIの麻酔について,その特色である循環管理と疼痛管理を中心に述べる。
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