徹底分析シリーズ 非がん性痛に対するオピオイド
オピオイド内服中患者の手術時の対応—周術期におけるオピオイド使用量の急激な変動には要注意
松﨑 孝
1
,
藤井 洋泉
2
,
森松 博史
2
MATSUSAKI,Takashi
1
,
FUJII,Hiromi
2
,
MORIMATSU,Hiroshi
2
1岡山大学病院 集中治療部
2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学講座
pp.240-243
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200148
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慢性痛におけるオピオイドの導入は,痛みを軽減して日常生活動作(ADL)を改善させるというエビデンス1)が示されているが,導入に当たっては,3段階の鎮痛ラダーに沿ってアプローチし,米国インターベンショナルペイン学会が提示しているガイドライン2)を理解することが重要である。特に,がん性痛と非がん性痛でオピオイドが導入されている状況は明らかに異なるので,オピオイドを使用している患者の周術期管理には,通常とは異なる注意が必要である。どのような痛みに対して,どのような経過でオピオイドの導入に至ったかを術前に把握することが肝要である。また,オピオイド使用の要因が除去される手術の場合と,オピオイド使用の要因とは無関係の手術の場合では,術後疼痛管理の際のオピオイド使用に違いがあることにも,注意が必要である。
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