徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 周術期管理
尿量が循環血液量の指標とならない状態とは
石川 晴士
1
Seiji ISHIKAWA
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院 麻酔・蘇生・ペインクリニック科
pp.1046-1047
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200039
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●尿量と循環血液量の関係
腎臓における尿の産生と制御は,循環血液量(正確には機能的細胞外液量)を制御するうえで重要な役割を果たしている。例えば,脱水状態で尿量が低下するのは,尿細管で水とナトリウムの再吸収を促進することで,循環血液量を保持しようとする腎臓の働きによる。
尿量は主に,腎血流量,糸球体濾過量glomerular filtration rate(GFR),尿細管における再吸収量で規定される。腎血流量とGFRは,自己調節能のために腎灌流圧が80〜180mmHgの範囲内では一定に保たれる。尿細管での再吸収量は主に,抗利尿ホルモンantidiuretic hormone(ADH)とアルドステロンによって制御されている1)。
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