特集 循環機能の正常値
循環血液量
藤田 達士
1
1群馬大学医学部麻酔学
pp.683-685
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204029
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循環血液量の測定
正常値は測定法により異り,また測定法や補正係数の誤りは大きな誤差を招く。希釈法を用いる限り血管外への洩出は大きな誤差となる。血管外への洩出にはトレーサー自体の洩出と,蛋白に結合したトレーサーの洩出とがある。色素法では患者血漿蛋白を取り,その着色をブランクとして,残りの蛋白と色素を結合させてから注入する。RISA法では遊離のRIを分離しておく。赤血球への標識法としては今日51Crと99mTcが用いられるが,標識赤血球洗滌が必要であり,51Crに比し99mTcは半減期が著しく短い利点はあるが標識がはずれやすい。また99mTc法では測定時間中の半減期補正が必要である。
理想としてはR125ISAと51Cr—標識赤血球の同時注入を行い,波高分析計を用いた同時計測法を行うと,後述するFcell比が直接求められ正確になる9,10)。
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