徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 周術期管理
術中になぜ体温は低下するか:麻酔科医が寒いとき,患者はもっと寒い?
太田 卓尚
1
,
齋藤 浩二
1
Takahisa OHTA
1
,
Koji SAITO
1
1東北大学大学院医学系研究科 外科病態学講座麻酔科学・周術期医学分野
pp.1034-1036
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200034
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術中の低体温は,日常臨床において頻繁に麻酔科医を悩ませるトラブルの一つである。一部の手術室スタッフ,特に術者のパフォーマンスの質や精度が損なわれない程度に快適な室温を保とうとすると,比較的低い室温となることが多く,時としてわれわれ麻酔科医は寒いとさえ感じる。そのような環境で手術を受けている患者の体温が,麻酔導入後にみるみる低下していくのは,漠然と“当たり前”のことと捉えているかもしれない。
しかし,同じ環境下にいるわれわれ手術室スタッフが患者同様に低体温に陥ることはまずない。では,覚醒時に比べ,全身麻酔下の患者の体温は,なぜ容易に低下するのだろうか?
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