徹底分析シリーズ 続 未来への麻酔科学教育
解説
麻酔科学の魅力・重要性を多くの若者に伝えたい この思いを全国の指導者と共有したい
髙田 真二
1
TAKADA,Shinji
1
1帝京大学医学部 麻酔科学講座・医学教育センター
pp.20-21
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102017
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2004年度に卒後医師臨床研修制度が導入されたとき,麻酔科・救急科は1年目の必修科となり,多くの研修医が麻酔科での研修を経験した。医学部卒業時にはまったく関心のなかった麻酔科の面白さに目覚めて麻酔科医になった者も多いだろう。ところが,2010年度に初期臨床研修制度が一部見直され,麻酔科研修が2年目の選択必修に格下げになった。これにより,初期研修期間に麻酔科を経験する研修医が,少なくとも筆者の施設ではかなり減少した。
最も吸収力にあふれた卒後2年間のこの時期に,今後40年以上続く医師人生の土台となる麻酔科研修を受けられないというのは,彼ら研修医にとっても不幸なことだと思ったが,嘆いていても仕方がない。ならば研修医に,「2年目になって早く麻酔科で選択研修したい!」と思わせよう。そのためには,卒業時点で麻酔科学の魅力や重要性を伝えなければならない。10年前から始めていた麻酔科臨床実習を,よりグレードアップした参加型臨床実習とし,医学生に麻酔科の魅力,重要性を実感させるのである。筆者が当施設における麻酔科参加型臨床実習の実現に動き出したのはある意味,必然であった。
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