Coffee Break
診断能の比較は難しい
中澤 三郎
1
1名古屋大学第2内科
pp.970
発行日 1984年9月25日
Published Date 1984/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109596
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以前からみられることであるが,研究発表で“各種検査法の診断能の検討”というのがよくある.血液検査,腫瘍マーカー,X線,ERCP,US,CT,Angiographyなどにっいて,ある疾患がどの程度正診できるかを競い合わせるのである.その結果,大変おもしろい成績が得られる.すなわち,同じ疾患でも発表者によって第1位を占める検査法が異なってくるのである.しかし,発表した結果について絶対信じているのではなく,質問されると“今回私の調べた限りではこうなりました”という返答が意外に多いことに気付く.
しかし,ときには,この疾患についてはこの検査法が最も良いと断言し,ほかから何と言われようと妥協しない人や,相手の立場を考えず非難する人もいる.よく観察していると検査能力の上手,下手というよりも発表者の性格に由来することが多いのに気付いて,心理学上大変興味深い.
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