徹底分析シリーズ それでいいのか 麻酔中の人工呼吸
術後肺合併症を減らす術中人工呼吸管理―マイクロアスピレーションと肺胞虚脱を予防し,術後の筋弛緩残存を回避する
小竹 良文
1
Yoshifumi KOTAKE
1
1東邦大学医療センター大橋病院 麻酔科
pp.950-954
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101626
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代表的な麻酔の教科書やハンドブックでも,呼吸器疾患を有しない患者に対する術中の呼吸管理については,ごく簡単に記載されているのみである。しかし,最近の報告からは,術中の呼吸管理が術後肺合併症postoperative pulmonary complication(PPC)の発生に影響を及ぼす可能性が明らかになりつつある。
PPCの定義および頻度に関する二つの報告の結果を,それぞれ表1, 2に示した1,2)。本稿では,PPCの原因として,気管チューブ周囲からのマイクロアスピレーション,肺胞虚脱および筋弛緩残存を取り上げ,これらを予防する方法として,カフ圧管理,気管チューブの選択,術中の吸入酸素濃度(FIO2)および呼気終末陽圧positive end-expiratory pressure(PEEP)の設定,筋弛緩からの回復に関して,注意すべき点を議論する。
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