徹底分析シリーズ 周術期の低体温
輸液の効果,適応,工夫―冷たい輸液や輸血は低体温の原因になる 積極的な加温・保温とアミノ酸輸液で予防を
藤野 寛子
1
,
横山 武志
1
FUJINO, Hiroko
1
,
YOKOYAMA, Takeshi
1
1九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座 歯科麻酔学分野
pp.36-42
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101425
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術中の低体温は,出血量の増大や麻酔からの覚醒遅延,シバリング,術後感染リスクの増加などの重篤な合併症を惹起する可能性があるため,適切に体温管理することは重要である。麻酔中は,熱喪失の増大と熱産生の低下,および体温調節機構の閾値低下により低体温となりやすい。低体温へのさまざまな対処法があるなかで,輸液や輸血を加温することは,周術期の体温管理において効果的な方法であり,そのための機器について,その特徴や使用法を十分に理解しておく必要がある。
本稿では,輸液や輸血を加温する意義,加温装置の特徴とその使用法,また体温維持に有用とされているアミノ酸輸液について述べる。
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