症例検討 電解質異常とその治療(その2)
カルシウム・マグネシウムの異常:二つの関係を理解し,まず疑ってかかれ
櫻井 裕之
1
Hiroyuki SAKURAI
1
1杏林大学医学部 薬理学教室
pp.350-354
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100909
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カルシウムとマグネシウムは,ともに2価の陽イオンで,大部分が骨にあり,ごく一部の血清中にイオン化した分画にその生理作用がある,という点で似ている。また,カルシウム濃度変化を感知するカルシウムセンシング受容体は,マグネシウムもリガンドになり,カルシウム,マグネシウムを通過させるチャネルも,一方により選択性が高い場合はあるものの,もう片方も通過させることが多い。さらに,カルシウム調節ホルモンである副甲状腺ホルモン(PTH)や活性型ビタミンDはマグネシウム代謝にも影響を及ぼし,逆に,マグネシウムがこれらのホルモンの機能や分泌に影響を与えるなど,カルシウムとマグネシウムは非常に密接にかかわりあっている。
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