徹底分析シリーズ 麻酔科医とタンパク質の一生
癌,うつ,梗塞のマーカーとしての時計タンパク質の基礎と臨床的意義
石田 直理雄
1
Norio ISHIDA
1
1産業技術総合研究所 生物機能工学研究部門
pp.26-31
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100837
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ほとんどの生物には体内時計が存在し,約24時間周期の概日リズム(サーカディアンリズム)を制御している。哺乳類では,睡眠覚醒や体温,血圧,心拍数のみならず,ホルモン分泌や免疫機能,薬物代謝,糖・脂質代謝など,さまざまな生理機能に概日リズムが認められる。ここ10年間で,時計遺伝子による概日時計のリズム発振機構がわれわれ哺乳類でも次第に明らかになってきた。
本稿では,まず時計タンパク質の発見の歴史とその機能を述べ,その後ショウジョウバエからヒトに至るまで,共通の塩基配列を持つこの遺伝子群がこの10年間でいかに臨床と密接に関連してきたかを解説する。
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