徹底分析シリーズ 酸塩基平衡異常
呼吸性アルカローシス:過ぎたるは及ばざるがごとしか?
内海 潤
1
Jun UTSUMI
1
1大阪赤十字病院 麻酔科
pp.1144-1147
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100814
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静かな田舎町を未知の病原体が襲う。すべての人間が死に絶えたかのように見えたが,泣き叫ぶ乳児と胃潰瘍でサリチル酸大量服用中の老人だけが生き残った。なぜ?しかし研究センター内も病原体に汚染され,核自爆シークエンスが起動…。
(マイケル・クライトン『アンドロメダ病原体』1))
“ワイルドファイア計画”のスタッフたちが証明したように,意図的に,あるいは薬物で引き起こされた過呼吸によって酸塩基平衡が乱された状態のほうが,むしろ生存に適する場面もあるのかもしれない。しかしそうでないとき,たとえばアンドロメダ病原体に感染していない患者の周術期には,どのくらいのPaCO2レベルに維持するのが適当だろうか。過換気によって,何か不都合が起こるのだろうか。
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