連載 Pharmacognomyへの招待
(5α, 17β)-N-{2,5 bis(trifluoromethyl)phenyl}-3-oxo-4-azaandrost-1-ene-17-carboxamide
中木 敏夫
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1帝京大学医学部 薬理学講座
pp.1004
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100779
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今月は(5α, 17β)-N-{2,5 bis(trifluoromethyl)phenyl}-3-oxo-4-azaandrost-1-ene-17-carboxamideを取り上げる。
基本骨格は4-azaandrostである。これはテストステロンの基本骨格(図a)の4位が窒素に置換した構造である(図b)。この骨格のNに{2,5 bis(trifluoromethyl)phenyl},3位にケトン基,1位が不飽和結合,17位にcarboxamideが結合している。{2,5 bis(trifluoromethyl)phenyl}は図cのようである。carboxamideは図dのようである。構造式中に窒素原子が2個あり,{2,5 bis(trifluoromethyl)phenyl}がいずれの窒素原子に結合しているかという点については,もしステロイド骨格の2位の窒素原子ならばあえてN-とは記載せず,単に4-と記載されるはずである。したがって,{2,5 bis(trifluoromethyl)phenyl}が結合する窒素原子はcarboxamideの窒素原子であることがわかる。以上をまとめると,元の構造式は図eのようになる。
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