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■異常はカプノメータで,慌てず,原因に合った対応を
Classicより位置確認が行いやすいProSealを使うことを考えよう
術中の位置のずれを予防するためには,まずLMA挿入時に正常な位置に挿入されていることが大切である。LMA挿入後の位置の確認は,
①通常の用手換気で障害がなく換気が可能である,
②カプノグラムの形状が正常である,
③リーク発生圧が15~20cmH2O以上であること
などから行っている。しかし,LMA挿入後に挿入位置には問題がないにもかかわらず,リーク発生圧が低すぎて十分な換気ができない場合は,サイズをワンサイズアップしたり,Flexibleに入れ替えると十分な換気が可能になる。
■換気異常の要因を理解し,トラブルアルゴリズムにそって対応
LMAを使用した全身麻酔で,挿入直後は換気できていたはずなのに,固定後もしくは術中に換気トラブルを経験された方も少なくないはずです。麻酔ガスのリークや気道閉塞のため,LMAを抜去せざるを得ないこともあります1)。通常の気管挿管においても,気管支痙攣,気管支挿管や事故抜管など換気トラブル発生のリスクはありますが,そのために気管チューブを意図的に抜管することはまずありません。このことを理由にして,「LMAでは痛い目に合った」や「気管挿管に自信があるからLMAは不要」と,LMAに否定的な発言をされる“アンチLMA派”麻酔科医もおられます。しかし,低侵襲性や気道困難症例の管理difficult airway management(DAM)での有用性を認知してLMAをきちんと使いこなすことができなければ,プロの麻酔科医とはいえません。
本稿では,より質の高いLMA管理に必須の知識として,まず,固定位置に関連した内容について解説し,後半では,LMA使用中の換気トラブルとその対処法について簡単にまとめます。
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